税務コラム
不動産所得と事業所得の区分
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アパート経営も、初めての確定申告では戸惑うことも多いもの。迷いやすいのが、家賃収入による所得区分でしょう。
アパートなどの部屋や建物を貸した対価で得たお金は基本的には「不動産所得」になりますが、場合によっては「事業所得」に区分されます。
家賃収入は不動産所得に該当
賃貸アパートやマンションなど、部屋や建物を貸して家賃収入を得た場合、基本的にそのお金は不動産所得です。
しかし、空間を貸すだけでなく、食事付きの下宿のようなスタイルであれば、役務提供も含まれるため事業所得になります(規模によっては雑所得に該当)。
他にも、保管責任を伴う有料駐車場も事業所得もしくは雑所得に該当します。
事業とは、様々な分野における、継続・反復、独立して提供されるモノやサービスのことです。そういった意味で不動産仲介業や売買業から得られる所得は、事業所得です。
不動産所得における事業的規模とは
不動産の貸付けは規模にかかわらず不動産所得となります。しかし、貸付けが事業的規模で行われていると判定されることがあります。
なお、不動産所得が「事業的規模である」ことと、不動産を利用して得た所得が「事業所得である」ということは、まったく違います。
「事業的規模」の基準については、所得税通達で「原則として社会通念上事業と称する規模で行われているかどうかによって決まる」とされ、明確な基準がありません。
ただし、建物の貸付けについては、次のいずれかの基準に当てはまれば、原則として事業的規模として行われているものとなります。
- アパートなどはおおむね10室以上
- 貸家はおおむね5棟以上
貸地等は規定はありませんが、一定件数以上の土地を貸付けていると事業的規模とみなされます。詳細は税理士や税務署に確認しましょう。
繰り返しになりますが貸付けの規模が事業的であっても、所得はあくまで不動産所得です。事業所得になるのは、前述したように食事などの労務サービスが付加された場合です。注意しましょう。
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