税務コラム
税務調査について
過去の申告・納税について誤りがないかどうか確認されるのが税務調査です。経営者の方であれば、注意しておかなければなりません。
可能な限り受けたくないものですが、事業をしている全ての個人や会社が対象になります。
また、正しく申告を行なっていても、税務署が少しでも疑わしいと思えば調査が入ってしまいます。
税務調査の目的
税務調査が行われる目的は二つあります。一つ目は、「公平な課税の実現」です。
経営者であれば、税金を減らしたいと思うのは当然です。様々な節税対策を実行しても、税法のルールに則っていれば何の問題もありません。
ただし、世の中にはより多くの税金をカットするために脱税等の違法行為を働く悪質な経営者もいます。また、無自覚に法令違反を行なって通常よりも少ない税額を納める場合もあります。
これらを放っておくと、真面目な納税者が損をする不公平な状況が生まれてしまいます。税務調査は、各納税者に正しい経理を行うよう指導し、公平な課税を実現するのです。
二つ目の目的として、「抑止力」があります。
納税者が正しく税金を納めるには、違法行為をさせない抑止力が必要です。
「怪しい会社には必ず税務調査が入る」「不正はすぐにバレる」という前提があれば、進んで違法行為をしたり、グレーな節税策に手を染める経営者は減ります。
また、税務調査が入った時に余計な税金を取られないために、日常の経理業務の質を高めようとするはずです。
調査に入られやすい会社
調査対象を決める明確な基準はありませんが、傾向から考えると以下の企業は入られやすいと言えます。
- 起業後、3年程度経った
- 売上や利益が短期間で急速に上がった
- 不正が多い業種
- 景気が良い業種
- 利益が大きくなっているまたは売上が伸びているのに利益が減少している
- 経費が大きく変動している
メディアに取り上げられて知名度が高まっている企業や、内部告発で不正が疑われる企業は税務調査の対象となりやすいと言えます。
なお、過去に不正が発覚して追徴を受けているような場合は優先的に調査対象となります。
調査対象期間
過去に不正をしていれば、最大7年程度遡っての調査となりますが、一般的には過去3年~5年分となります。
税務調査は任意
税務調査といえば、ドラマや映画等で人が大勢乗り込んでくるイメージを思い浮かべるかも知れませんが、それは国税局査察部が行う「強制調査」であって通常の税務調査とは違います。
強制調査は高額の脱税が疑われる個人や企業に対して、証拠固めのために強制力を伴って行われるものです。もちろん、調査される側に拒否権はありません。
対して一般的な税務調査は任意です。なので、不正を行っていなければ特に恐れる必要はありませんし、拒否することも可能です。
ただ、税務署は税法上の調査権限を持っているので、正当な理由のない調査拒否には罰則が科されてしまいます。(実際には拒否できるケースは少ないと言えます。)
なお、税務調査を不当に拒否すると、1年以下の懲役または50万円以下の罰金に処せられます。
まとめ
税務署の概要について紹介いたしました。
次回のコラムでは実際に税務調査がどんな流れで行われるか等について説明していきます。
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